mutt - CUIメールクライアント
作者 | Michael R. Elkins and Jeremy Blosser |
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ダウンロード | ftp://ftp.mutt.org/mutt/devel/mutt-1.5.11.tar.gz![]() |
関連サイト | http://www.mutt.org/![]() http://www.emaillab.org/mutt/index.html ![]() |
バージョン | 1.5.11 |
学内パス | /home/student/s1090142/pub/bin/mutt |
学内管理者 | s1090142 |
Table of Contents |
解説 
Muttは小さいけれどパワフルなテキストベースの MIMEメールクライアントです。Muttは多くのことが設定可能でキーバインディング、キーボードマクロ、メールスレッド、正規表現による検索、メッセージを選択する強力なパターンマッチング言語などの高度な機能を持つ、メールのパワーユーザーに最適なプログラムです。
% mutt
使い方 
メールを読む 
muttを起動するとメール表題の一覧が表示される。j, kキーでカーソルを移動し、スペースキーでメール本文を表示します。メール本文が長く表示仕切れない場合はJ, Kでバッファをスクロールします。メール本文を閉じる場合はqを押します。
キー | 意味 |
j | メール表題一覧でカーソルを下に移動する |
k | メール表題一覧でカーソルを上に移動する |
スペース | メール表題一覧でカーソル上のメール本文を表示する |
<Shift>j | メール本文を下にスクロールする |
<Shift>k | メール本文を上にスクロールする |
ちなみにmuttはローカルのメールボックスからメールを読み出すので、新着メールを読む場合には、muttの起動前にincコマンドを入力してください。
% inc
メールを書く 
muttを起動しmキーを押します。送信先アドレス、表題の入力を求められ、それらを正しく入力するとエディタが起動し、メール本文を記述することが出来ます。
キー | 意味 |
m | 新規メールの作成を開始する |
本文を記述し、保存するとmuttの画面に戻り、送信するメールの概要が表示されます。
tキーを押すと"To:"ヘッダ(送信先アドレス)を変更出来ます。cキーを押すと"CC:"ヘッダを記述することが出来ます。bキーを押すと"BCC:"ヘッダを記述することが出来ます。sキーを押すと"Subject:"ヘッダ(表題)を変更することが出来ます。rキーを押すと"Reply-To:"ヘッダを変更することが出来ます。
eキーを押すと、メール本文の編集画面に戻ります。新規作成時と同様に修正し、保存すると前の画面に戻ります。
リターンキーを押すと記述した本文を表示します。本文の記述を確認したら、qキーで前の画面に戻ります。
キー | 意味 |
t | "To:"ヘッダを変更する |
c | "Cc:"ヘッダを変更する |
b | "Bcc:"ヘッダを変更する |
s | "Subject:"ヘッダを変更する |
r | "Replay-To:"ヘッダを変更する |
e | メール本文の修正画面に戻る |
リターン | メール本文を表示する 前の画面に戻る場合はqキーを押す |
aキーを押すと添付ファイルの指定出来ます。ファイルパスを直接記述する場合は入力プロンプトで適当なキーを押します。ファイルブラウザからファイルを選択する場合は?キーを押します。ファイルブラウザでファイルの添付をやめたい場合はqキーを押します。
キー | 意味 |
a | 添付ファイルを追加する ファイルブラウザを起動する場合は更に?キーを押す |
添付ファイルを指定した状態でj,kキーを押すとメールのエントリのカーソルを移動することが出来ます。添付ファイルを削除する場合は、削除するエントリ(添付ファイル)にカーソルを当て、Dキーを押します。
メールヘッダ、添付ファイル等、全ての準備が整ったら、メールの概要を表示している画面でyキーでメールを送信します。
キー | 意味 |
y | メールを送信する |
メールに返信する 
表題一覧の画面で返信するメールにカーソルを移動し、rキーを押します。送信先アドレスにカーソル上のメールの送信元のアドレスが入力された状態で、新規メールと同様の操作となります。
キー | 意味 |
r | カーソル上のメールに返信する |
メールを転送する 
表題一覧の画面で返信するメールにカーソルを移動し、fキーを押します。新規メールと同様の状態になります。メール本文に転送するメールが引用された状態で、新規メールと同様の操作となります。
キー | 意味 |
f | カーソル上のメールを転送する |
ヘルプを表示する 
如何なる画面でも?キーがヘルプ表示となります。
キー | 意味 |
? | ヘルプを表示する |
.muttrc 
サンプルです。
# 名前, アドレス set realname="Your Name" set from="Your E-Mail Address" # メールエディタ指定 set editor="vim %s" # メールボックス set spoolfile="$HOME/Mail/inbox" set folder="$HOME/Mail" set mbox="+inbox" set record="+sent" set postponed="+postponed" # シグネチャ set signature=.signature # システムのエンコードと送信テキストのエンコード set charset=euc-jp set send_charset=us-ascii:iso-2022-jp # 日本語パッチ拡張のエンコード指定 set assumed_charset="iso-2022-jp:euc-jp:shift_jis:utf-8" set file_charset="iso-2022-jp:euc-jp:shift_jis:utf-8" set thorough_search=yes set sanitize_ja_chars=yes # 一覧表示時のフォーマット set pager_index_lines=8 set tilde=yes # メールヘッダの表示の有無 unignore Date: ignore X ignore List- # 以下はカラーリング # 賛否があると思うので好みに応じて記述すること # # pager color header yellow black ^(From|Subject) color quoted cyan black color signature red black color attachment blue black color body magenta black "(ftp|http)://[^ ]+" # point out URLs color body magenta black [-a-z_0-9.]+@[-a-z_0-9.]+ # e-mail addresses color search black yellow # how to hilite search patterns in the pager # index screen color index white black .* color tree cyan black # the thread tree in the index menu color indicator black brightcyan # symbols color markers blue black color tilde blue black # menu,message color status yellow blue color message cyan black color error brightred black
インストールメモ 
会津大学のワークステーションで野良ビルドをした時のインストールメモです。参考にする場合は、バージョン、パス、環境等を考慮し、適当に読み替えてください。
ダウンロード 
日本語対応、学内ビルドを実現するため以下のアーカイブをダウンロード
- Mutt本体: http://www.emaillab.org/mutt/1.5.11/mutt-1.5.11.tar.gz
- 日本語パッチ: http://www.emaillab.org/mutt/1.5.11/patch-1.5.11.mutt-j.ja-beta.1.gz
- configureが要求: http://ftp.gnu.org/gnu/automake/automake-1.4-p6.tar.gz
- makeが要求: http://ftp.gnu.org/gnu/automake/automake-1.7.9.tar.gz
下二つのautomakeはバージョン固定です。最新のautomakeではビルド出来ないので、それらは新しいバージョンがインストールされている場合も、ダウンロードして下さい。
インストール 
automake 
autoconfは二つのバージョンを必要とします。どちらか一方では動作しないので、面倒ですが両方ともインストールしてください。また、随分古いバージョンを要求するので、muttのビルドの時のみインストールし、すぐに削除することになると思います。
$HOME/src以下にアーカイブを展開し、$HOME/tmp以下にインストールします。
% mkdir ~/src % mkdir ~/tmp % cd src % tar -xzf ~/automake-1.4-p6.tar.gz % tar -xzf ~/automake-1.7.9.tar.gz % cd automake-1.4-p6 % ./configure --prefix=$HOME/tmp % make % make install % ../ % cd automake-1.7.9 % ./configure --prefix=$HOME/tmp % make % make install
日本語パッチ 
mutt本体、日本語パッチを$HOME/src以下にアーカイブを展開し、パッチを当ます。
% cd src % tar -xzf ~/mutt-1.5.4i.tar.gz % tar -xzf ~/mutt-1.5.4i-ja.1.tar.gz % cd mutt-1.5.4 % patch -p1 < ../mutt-1.5.4i-ja.1/patch-1.5.4.tt.ja.1
日本語パッチのアーカイブはドキュメント等も合わせて含まれているので、目を通すことをお勧めします。
mutt本体 
mutt本体をビルドします。
muttのビルドの前にインストールしたautomake-1.4, automake-1.7にパスを通します。.cshrcに以下の記述を追加します。"$HOME/tmp"を先に記述します。そうでなければインストールした意味がありません。
setenv PATH $HOME/tmp/bin:$PATH
.cshrcを保存したら、新しくターミナル(kterm等)を起動し、そのターミナルでインストールの続きを進めます。
mutt本体のインストールディレクトリは$HOME/pub以下として記述します。
% mkdir ~/pub % cd src/mutt-1.5.4 % ./configure --prefix=$HOME/pub % make
とすると、適当にビルドが進んだあたりで以下の様なエラーが大量に発生します。
.../src/mutt-1.5.4/pager.c:1729: undefined reference to `w32attrset'
muttのコンパイルオプション"-lncurses"がNGらしいので"-lcurses"に書き換えます。検索するとすぐに見つかるとは思いますが、"src/mutt-1.5.4/Makefile"の91行目にあります。
[修正前] MUTTLIBS = -lncurses [修正後] MUTTLIBS = -lcurses
これでビルドを再開すると、今度は正しくビルドが終了します。
% make % make install
インストールは以上です。
最後にテンポラリにインストールしたautoconfは必要ないので削除します。
% rm -rf ~/tmp